腸活のメリットをご存じですか?腸内環境改善で手に入る健康・美容の効果とは
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腸活
腸活とは腸内環境を良くすることを目的とし、生活習慣や食習慣、適度な運動の実施など一連の活動を指します。
便秘で悩んでいる人が腸活をするイメージを持たれがちですが、実は腸活には健康面や美容面においてさまざまなメリットがあります。
本記事では腸活のメリットを詳しく紹介するほか、デメリットや腸活をするうえでの注意点をまとめました。
腸活のメリット6つ
便秘の改善を目的として行われるイメージがある腸活ですが、実は便秘以外にもさまざまなメリットがあります。
腸活のメリットには主に以下の6つが挙げられます。
- 便通が整う
- 脂肪の蓄積を抑える
- 肌の健康を保つ
- 免疫機能の向上
- メンタルの安定
- 睡眠の質を高める
1.便通が整う
腸活をすることで便通が整い、便秘や下痢といった悩みの改善が期待できます。
腸内には人に有益な作用をする「有用菌(善玉菌)」と有害物質を発生させる「有害菌(悪玉菌)」が存在し、バランスをとりながら生息しています。しかし、腸内において有害菌が優勢な状態になると、大腸で便が滞り、便秘の症状につながることも。
腸内の有用菌を増やして腸内環境を良い状態に整えることで、腸の運動が活発になり便通が整います。
2.脂肪の蓄積を抑える
腸内細菌が産生する「短鎖脂肪酸」という代謝産物によって脂肪の蓄積を抑えることも期待できます。
ビフィズス菌や酪酸菌をはじめとした有用菌はは、食物繊維やオリゴ糖を栄養源とした際に、酢酸や酪酸などの短鎖脂肪酸を産生します。この短鎖脂肪酸が脂肪の蓄積を抑えたりするほか、エネルギー消費を高めたりするのです。
短鎖脂肪酸の産生には有用菌が関わるため、腸内で有用菌が優勢な状態、つまり腸内環境が良い状態であるほど作られる短鎖脂肪酸の量も多くなります。
このように腸活をすることが脂肪の蓄積を抑えることにつながります。
3.肌の健康を保つ
肌の状態は腸内環境を表すと言われるほど、腸内環境と肌には深い関係があるとされています。
腸内環境が悪く、便秘の状態であるということは体内の腐敗物質をきちんと排出できていないということ。便秘によって腸内で産生された腐敗物質が血管を経由し、結果的に肌トラブルを起こすとされています。
つまり、腸内環境を良くすることが肌の健康を守ることにつながるのです。
4.免疫機能の向上
腸は摂取した栄養素の吸収を行うだけでなく、免疫機能としての役割も持ちます。
腸管には全身の免疫細胞の6〜7割が存在しています。これを「腸管免疫」と呼び、外部から侵入した病原体を排除する働きがあります。
したがって、腸内環境を良好にすることで免疫力の低下を防ぐことが可能です。
5.メンタルの安定
腸活によって期待できるメンタルの安定は、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」という物質が関わっています。
通常、セロトニンは脳内で作られるホルモン。ただし、大腸の上皮にもセロトニンを合成する細胞が存在しています。
腸内細菌が作る短鎖脂肪酸がその上皮細胞を刺激し、セロトニンを作るとされています。
腸で作られたセロトニンが脳と腸をつなぐ神経を刺激することで、脳内の神経伝達物質を活発にしメンタルを安定させたり、やる気を起こしたりする成分なのです。
なお、うつ病の症状を抱える人は、健康な人と比較して腸内細菌のバランスが崩れていることが指摘されており、腸内細菌とうつ症状の発症には関係があるのではないかと注目されています。
6.睡眠の質を高める
腸活のメリット6つ目は「睡眠の質を高める」です。これは睡眠に関わるホルモン「メラトニン」と腸内環境が深く関係していることによるもの。
腸内細菌によって産生されたセロトニンの材料(トリプトファンやトリプトファン前駆体、ビタミン類など)は脳に移行し、セロトニンの合成に使われるとされています。
セロトニンは体内においてメラトニンという睡眠に関わるホルモンに変換されるため、睡眠の質の向上が期待できるのです。
腸活の効果が正しくでているかを定量的に確認するためには、定期的な腸内細菌のチェックがおすすめです。「わたしの腸活サポートチェック」で、腸の状態を半年に一度確認してみましょう。
腸活の注意点・デメリット3つ
腸活にはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。
- 効果を実感するのに時間がかかる
- コストがかかる
- 食事管理や運動が手間に感じる
1.効果を実感するのに時間がかかる
腸内に存在する細菌の種類や数は個人差があるため、なかには腸活の効果を実感するのに時間がかかる方がいるかもしれません。
腸活は少なくとも2週間は継続する必要があるでしょう。効果を実感するまでに遅くて数か月かかることも考えられます。
そのため、腸活に即効性を求めず、無理のない範囲で地道に進めていくことをおすすめします。
関連記事:腸活効果が出るまでの期間は約2週間程度!効果が出ない人に試してほしい5つの方法
2.コストがかかる
腸活のために特定の食品やサプリメントなどを取り入れる場合、その分のコストがかかります。
例えば、腸内環境の改善をサポートする乳酸菌のサプリメントは、手軽に乳酸菌を摂取できるかもしれませんが継続して購入する必要があります。サプリメントの種類によりますが、その分の費用が負担になることも考えられるでしょう。
以下に乳酸菌サプリの1日にかかるコストを示しました。
乳酸菌サプリA(*1) |
乳酸菌サプリB |
|
内容量 |
540粒入(60日分) |
60粒入(15日) |
価格 |
3,812円(税込) |
1,980円(税込) |
1日あたりのコスト(*2) |
約63円 |
約132円 |
費用が気になる場合は、価格が手ごろな商品を選ぶというような無理のない範囲で続けてみましょう。
*1:1日3錠、3回での日数を算出。
*2:1日あたりのコストは1か月30日で計算。税込価格。
3.食事管理や運動が手間に感じる
今まで料理をしてこなかった、あるいは運動習慣がなかった方が腸活のために料理や運動をするといった場合、それらが手間に感じるかもしれません。
「自炊の有無・頻度に関するアンケート」(調査人数2,407人)において、「回答者の過半数以上『面倒だから』という理由で自炊をしない」ということや「回答者の過半数以上が1週間に3日以上自炊をしない」という結果が得られたとのこと。
また、令和4年「国民健康・栄養調査」の結果によると、運動習慣のある者(*3)の割合は、男性で35.5%、女性で31.5%です。
腸活をするうえで食事管理や運動習慣といった要素は避けては通れません。しかし、このようなデータから、食事や運動を習慣づける難しさがうかがえるでしょう。
そこで、食事であればいつもの食事に納豆やヨーグルトだけを取り入れてみる、運動であれば日常生活でできる運動(エスカレーターの代わりに階段を使う等)を取り入れるというような、手軽なものから始めてみましょう。
*3:運動習慣のある者とは「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者」を指す
参考記事:
・【2,407人調査】4人に1人は自炊をしない!?自炊の有無・頻度に関するアンケート | PR TIMES
腸活をするうえでの注意点
腸活は多くのメリットがあるものの、いくつか注意することがあります。
- 毎日同じものを食べない
- 無理のないペースで継続する
毎日同じものを食べない
腸活で食習慣の見直しは必要ですが、腸活に良い食品であっても毎日同じものを食べることは避けましょう。
例えば、ごぼうやキノコなどに多く含まれる不溶性食物繊維。便のかさを増やし、腸を刺激するのに役立つ成分ですが、摂り過ぎによって便が硬く大きくなり、スムーズに排出しづらくなることがあります。
このように、腸活に良い食品成分が入っているからといって同じものばかり食べると、逆効果になることを理解しておきましょう。
また、腸内細菌の活動では、食物繊維やオリゴ糖のほか、ビタミン類も必要です。さまざまな栄養素を摂取するためにも同じものを食べず、多様な食品を摂りましょう。
無理のないペースで継続する
過度な腸活は逆効果になるおそれがあります。
腸活に対して、「この運動を必ずしなければならない」「この食材を食べなければならない」というプレッシャーはかえってストレスになる可能性があるためです。
このストレスが腸に伝わり、腸内フローラのバランスを乱す原因になるので、余計なストレスを与えないことも腸活のひとつ。
日常生活の中に無理のない範囲で腸活を組み込むように心がけましょう。
腸活にはメリットがたくさん
腸活は便通を良くすることをはじめ、さまざまな健康・美容効果が期待できます。
これらのメリットを享受できるよう、腸活に取り組んでみましょう。
また、腸活を始めたい方や腸活の経過を見たい方におすすめしたいのが「腸内フローラチェック」です。
高精度な検査によって、腸内環境の総合的な評価をはじめ、ダイエットや美容に関することなど、ご自身の腸内環境の状態を知ることができます。
腸活を始める第一歩やモチベーション維持にぜひお役立てください。