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善玉菌を増やすには?腸内環境を整える食べ物や生活習慣を紹介
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腸内の善玉菌(有用菌)が多いと整腸作用だけでなく、美肌効果や精神的なストレスの緩和などが期待できます。
本記事では、腸内の善玉菌を増やす食べ物や生活習慣を紹介します。
腸内の善玉菌(有用菌)を増やすには?多い人の特徴を解説
腸内の善玉菌が多い人の特徴は次の2つです。
- 善玉菌が多い人は便通や腸内フローラバランスが整っている
- 善玉菌が増えれば美容や健康効果が期待できる
善玉菌が多い人は便通や腸内フローラバランスが整っている
腸内の善玉菌が多い人は便通の状態が整っています。
善玉菌が多い人と悪玉菌(有害菌)が多い人の便の特徴は次の通りです。
便の特徴 |
善玉菌が多い人 |
悪玉菌が多い人 |
色 |
黄色〜褐色 |
・便秘気味の場合は黒っぽい ・下痢気味の場合は薄い黄色 |
形状 |
バナナ状 |
・便秘気味の場合はコロコロ ・下痢気味の場合は液状 |
硬さ |
柔らかい |
・便秘気味の場合は硬い ・下痢気味の場合は緩い |
におい |
臭くない |
・悪臭がする ・においが強い |
また、小腸から大腸にかけて細菌が種類ごとに分布している状態を腸内フローラと呼びます。腸内フローラのバランスが整っていると善玉菌が多く存在し、このバランスを整えるためには、善玉菌を増やすことが大切です。
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善玉菌が増えれば美容や健康効果が期待できる
善玉菌が増えると、肌を綺麗な状態に保つ美容効果や免疫力の向上などの健康効果が期待できます。
しかし、腸内フローラのバランスが崩れて善玉菌が減ると、腸管のバリア機能が低下して、腸管から有害な物質や微生物の吸収につながり、全身の炎症や免疫異常をきたします。
腸内フローラのバランスが崩れると、皮膚の炎症・肌トラブルにつながるため、善玉菌を増やして腸内フローラのバランスを整えることが大切です。
また腸内の善玉菌は、糖尿病や大腸がんなどの病気に関与する腸内の悪玉菌の増加を抑えられるため、健康効果が期待できます。
善玉菌が増える3つの条件
腸内の善玉菌が増える条件は下記のとおりです。
- 好みのエサを与えることで善玉菌が増殖する
- 腸内環境が適切だと短鎖脂肪酸の産生や免疫機能の調整が行われる
- そもそも悪玉菌(有害菌)の増加を抑えることが重要
上記3つの条件で善玉菌が増える仕組みも解説します。
好みのエサを与えることで善玉菌が増殖する
善玉菌が増える条件に、善玉菌のエサを含む食品の積極的な摂取が挙げられます。
善玉菌はオリゴ糖や食物繊維を栄養素として好むため、これらを多く含む食品を取り入れましょう。
また、ビフィズス菌や乳酸菌などを補給することも善玉菌を増やすために効果的です。
腸内を酸性環境に傾ける
腸内環境が酸性に傾くと、大腸のバリア機能を高める短鎖脂肪酸の産生や免疫機能の調整が行われ、その過程で善玉菌が増殖します。
さらにアルカリ性の環境を好む悪玉菌の増殖を抑えられ、善玉菌がさらに増えやすい環境を整えられます。
腸内を酸性環境に傾けるためには、善玉菌のエサを摂取したり、悪玉菌のエサになる肉類に含まれる飽和脂肪酸の過剰摂取や、加工肉、加工食品などの動物性タンパク質の摂取を抑える方法が効果的です。
一方で、魚介類は良質な油脂(オメガ3脂肪酸など)を含むため、積極的な摂取をおすすめします。
そもそも悪玉菌(有害菌)の増加を抑えることが重要
悪玉菌を増やさないよう腸内を整えると、善玉菌増加にとって良好な腸内環境になります。
腸内細菌の割合は「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」と、善玉菌が優勢な状態が理想的です。善玉菌が優勢な環境では日和見菌は善玉菌の味方として働きますが、悪玉菌が優勢な場合は悪玉菌と同じ働きをします。
したがって善玉菌を増やすだけでなく、悪玉菌を増やさないことが重要です。悪玉菌は動物性タンパク質や脂質を好むため、肉類や脂質に偏らない食事を意識しましょう。
また不規則な生活やストレス、便秘などが原因で悪玉菌は増加します。食生活の改善だけでなく、心身の疲れやストレスを溜め込まないことが善玉菌を増やすために重要です。
善玉菌を増やす具体的な方法5選
善玉菌を増やす具体的な5つの方法を紹介します。
- 善玉菌を増やす食べ物や飲み物を摂取する
- 食材を一定にしないことも重要
- 水分摂取や血行促進も効果的
- 高脂肪食やアルコールを控え悪玉菌を抑える
- 食事以外の方法も実践!運動の習慣化や質の良い睡眠
①善玉菌を増やす食べ物や飲み物を摂取する
善玉菌を増やす食べ物や飲み物を積極的に摂取しましょう。善玉菌そのものを補給して増やす方法を「プロバイオティクス」、善玉菌のエサを摂取して育てる方法を「プレバイオティクス」と呼びます。
善玉菌を増やす食べ物や飲み物は以下の通りです。
プロバイオティクス |
発酵食品 |
・ヨーグルト ・乳酸菌飲料 ・納豆 ・ぬか漬け ・キムチ ・納豆 ・チーズ |
プレバイオティクス |
オリゴ糖を多く含む食品 |
・バナナ ・ごぼう ・大豆 ・タマネギ ・トウモロコシ ・にんにく ・本みりん ・はちみつ |
食物繊維が多い食品 |
・さつまいも ・わかめ ・ブロッコリー ・きのこ ・海藻 ・玄米 ・あずき ・りんご |
これらの食品を普段の食生活で積極的に取り入れると、善玉菌の増加が期待できます。ただし、オリゴ糖を含む食品は摂取しすぎると下痢やお腹の張りを引き起こす場合があるため、食べ過ぎないようにしましょう。
②食材を一定にしないことも重要
多様な食事を意識し、同じ食品ばかり食べないことも善玉菌の増加に効果的です。
善玉菌が増えやすい腸内環境は腸内細菌の多様性が高い状態ですが、偏った食事を続けていると多様性が低下し、善玉菌が増えにくくなります。ヨーグルトや納豆、バナナ、さつまいもなどは善玉菌を増やすために効果的な食材ですが、同じ食材ばかり食べず幅広い食品を食事に取り入れましょう。
一汁三菜が基本で、多くの食材を使いつつ和食中心の食生活にすることも善玉菌の増加につながります。
③水分摂取や血行促進も効果的
善玉菌を増やすために、積極的な水分摂取や全身の血行促進も意識しましょう。腸を健康的な状態に整えるためには、水分不足や冷えによる血流悪化が大敵です。
1日1.2Lを目安として水分を摂取すると、便が硬くなりすぎずスムーズに排便でき、腸内環境を整えやすいです。ただしコーヒーや紅茶、アルコールは水分補給には向きません。むしろ水分不足が進み便秘になる恐れがあるため、飲み過ぎに注意してください。
また運動や温かい飲み物を飲むなど、血行を促進させて身体を内臓から温めることも重要です。冷えは胃腸の働きを悪くさせて下痢や便秘の原因になり腸内環境の悪化につながります。
善玉菌を増やすためには身体を温めて腸内環境を整えることを意識しましょう。
④高脂肪食やアルコールを控え悪玉菌を抑える
高脂肪食やアルコールなど悪玉菌が好む食品の摂取量を抑えることも、善玉菌を増やすために効果的です。
肉類の動物性タンパク質は悪玉菌のエサになり、食べ過ぎは腸内の悪玉菌の増加につながります。肉類の摂取量を抑えると、善玉菌が増えやすい酸性の腸内環境を整えやすいです。
またアルコールの過剰摂取も悪玉菌を増やすことが報告されています。善玉菌を増やすためには、コッテリとした食事やお酒の飲み過ぎを控えましょう。
⑤食事以外の方法も実践!運動の習慣化や質の良い睡眠
適度な運動や質の良い睡眠は、腸内の善玉菌を増やす可能性があります。
適度な運動は血流の促進や自律神経の調整に効果的です。30分程度のウォーキングやストレッチ、ラジオ体操など無理のない範囲で運動をする習慣を生活に取り入れましょう。
また睡眠不足は腸内細菌に悪影響を及ぼし、心身に不調をきたすことが報告されています。就寝前に部屋を暗くすることや快適な室温の維持、寝具の工夫などで睡眠の質を高めましょう。
善玉菌を増やして腸内環境を健康に保とう
腸内の善玉菌を増やすと、美肌や健康効果が期待できます。善玉菌を増やすためには、善玉菌そのもので補ったり、善玉菌のエサになる食品の摂取が重要です。
食事や生活習慣の改善で善玉菌が増えたかどうか便の状態で判断できますが、色や形状から腸内環境を正確に判断することは難しいです。
ミルテルの「わたしの腸活サポートチェック」では便中の細菌DNAを検査し、腸内細菌の種類とバランスを判断できます。
生活改善の効果が出ているか現在の腸内細菌の状態をチェックし、より整った腸内環境を目指しましょう。