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腸腰筋を鍛えるメリットとは?腸腰筋の役割と簡単にできる筋トレ・ストレッチも解説

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腸活

いつまでも若々しくありたい人、健康的な身体を維持したい人は、腸腰筋を鍛えると良いでしょう。

本記事では、腸腰筋を鍛えるメリット、筋トレやストレッチ方法を解説します。

監修者:高畑宗明の写真

監修者

腸活ドクター
高畑宗明

岡山大学大学院にて博士(農学)取得。腸内細菌や免疫、発酵食品を専門とし、研究者として世界20カ国以上を巡る。
前職では腸内環境を整えるプロバイオティクス/発酵サプリメントの研究開発に従事し、米国や欧州等で高い評価を受ける。
国内では前職でEC事業を経営するとともに、腸内細菌や乳酸菌に関する講演・食育セミナー、メディアへの寄稿など、腸と健康の啓蒙活動を行う。
著書
「腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない」 (講談社+α新書)
「腸で酵素をつくる習慣」(朝日新聞出版)
「わかりやすい食品機能学」(三共出版)
雑誌
クロワッサン、オレンジページ、ハルメクなど監修実績多数

腸活ドクター

監修者:高畑宗明の写真

監修者

高畑宗明

岡山大学大学院にて博士(農学)取得。腸内細菌や免疫、発酵食品を専門とし、研究者として世界20カ国以上を巡る。
前職では腸内環境を整えるプロバイオティクス/発酵サプリメントの研究開発に従事し、米国や欧州等で高い評価を受ける。
国内では前職でEC事業を経営するとともに、腸内細菌や乳酸菌に関する講演・食育セミナー、メディアへの寄稿など、腸と健康の啓蒙活動を行う。
著書
「腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない」 (講談社+α新書)
「腸で酵素をつくる習慣」(朝日新聞出版)
「わかりやすい食品機能学」(三共出版)
雑誌
クロワッサン、オレンジページ、ハルメクなど監修実績多数

腸腰筋とは身体を支えるインナーマッスル

腸腰筋とは、背骨や骨盤、太ももの骨をつなぐ筋肉です。腸腰筋は大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つからなる筋肉であり、それぞれ次に述べる部位をつなぎます。

筋肉の種類 部位
大腰筋 背骨と大腿骨
小腰筋 背骨と骨盤
腸骨筋 骨盤と大腿骨

腸腰筋は、股関節や背骨の曲げ伸ばしをする際に活用する筋肉であり、具体的には骨盤のゆがみや腰のカーブの状態などさまざまな影響をもたらします。

しかし、加齢や性別などの理由で筋力の低下を招くケースが珍しくありません。

腸腰筋の筋トレやストレッチは、健康へ良いメリットをもたらします。

腸腰筋の筋トレ4つのメリット

腸腰筋を鍛えることは、健康にいくつかの良い影響をもたらします。腸腰筋の筋トレに取り組むメリットは、次のとおりです。

  • 骨盤や背骨のゆがみ解消による姿勢の改善
  • 腰のカーブの変形を和らげ腰痛を予防
  • 要介護状態になるリスクの低下
  • 腸内環境改善による便秘解消

順番に確認しておきましょう。

1.骨盤や背骨のゆがみ解消による姿勢の改善

腸腰筋を鍛えると、姿勢の改善が期待できます。

姿勢が歪む原因には、猫背、足を組む動作、長時間の同じ姿勢などの日常生活の行動や大腰筋の筋力低下があるからです。

大腰筋の筋力低下は、骨盤の前後の傾きや腰のカーブに異常をきたし、骨盤や背骨のゆがみ、腹筋の筋力低下につながります。

腸腰筋の筋トレは骨盤や背骨のゆがみを和らげ、姿勢の改善が見込めます。

2.腰のカーブの変形を和らげ腰痛を予防

腸腰筋の筋トレは、腰痛の予防にも効果的です。

姿勢の悪化による骨盤や腰のカーブの変形が、腰痛の原因となるためです。良くない姿勢による腰痛は、カーブの変形が悪化するにつれ、症状が重くなると報告されています。

さらに症状が進むと、腰椎すべり症や腰椎分離すべり症などの病気になる場合もあります。

腸腰筋を鍛えることは、腰のカーブの変形を軽減する効果があり、腰痛の予防や改善が見込めるでしょう。

3.要介護状態になるリスクの低下

腸腰筋の筋トレは、要介護状態になるリスクの低下に役立ちます。股関節や背骨の動作などの日常生活に必要な筋力の維持が期待できるためです。

たとえば、腸腰筋は足を引き上げる階段の上り下りに使われる筋肉です。日常的に腸腰筋を鍛えていれば、階段を使った移動も容易ですし、段差による転倒がきっかけで要介護状態になるリスクも低くなります。

腸腰筋の筋トレは、要介護状態の前段階であるロコモティブシンドローム(※1)やフレイル(※2)を予防する効果があるという報告もあります。

(※1)ロコモティブシンドローム:年を重ねることによって心身の機能が低下し、健康と要介護状態の中間に位置する状態。身体面、精神面、社会面の3つの側面が含まれる。

(※2)フレイル:フレイルの身体面の一部であり、加齢による筋力低下や関節・脊椎の病気などによって運動機能が衰え、寝たきりや要介護状態になるリスクが高まる状態を指す。

4.腸内環境改善による便秘解消

腸腰筋の筋トレは、便秘の解消にも効果的です。

腸腰筋を鍛えることで、排便のコントロールがしやすくなり、腸におけるぜん動運動の活発化が期待できるためです。

便の排出には腸のぜん動運動と筋力が必要です。腸腰筋の筋力低下は便を体外へ押し出す能力の低下により便秘の原因となる場合があります。

腸腰筋を鍛えることで、排便をコントロールする機能向上やぜん動運動の活発化による腸内ガスの排出を促す効果が期待できます。

便秘の解消や腸活に取り組みたい場合にも、腸腰筋の筋トレは効果的と言えるでしょう。

腸腰筋の筋トレとストレッチ方法

腸腰筋を鍛える方法は、大きく分けて筋トレとストレッチの2つに分類され、筋トレでは筋力の向上、ストレッチでは柔軟性の向上につながります。

紹介する方法の中には、スキマ時間で取り組めるものやテレビ、スマホを見ながら取り組める内容もあります。

自分に適した方法で、無理のない範囲で取り組んでみてください。

腸腰筋の筋トレ2選

腸腰筋の主な筋トレ方法は、次の2つです。

  • ニーアップ
  • 足踏み運動

順番に確認していきましょう。

ニーアップ:座ったままの姿勢でスキマ時間で腸腰筋を鍛えられる

ニーアップは、太ももの上下運動により腸腰筋を鍛える筋トレです。

座った姿勢で取り組めるため、仕事の休憩時間や家事が一段落したタイミングでも実施できます。

ニーアップの仕方は次のとおりです。

  1. 椅子に浅く腰かけ、背もたれに寄りかからず上半身をまっすぐ起こして座る
  2. 両手を骨盤に当て、太ももを上に持ち上げる
  3. 太ももを上げる動作をきついと感じるまでおこなう

ニーアップでは、次のポイントを意識すると良いでしょう。

  • 股関節の付け根を意識して、脚を持ち上げる
  • 脚を高く上げすぎて、上半身の姿勢が崩れないようにする
  • 腰痛の原因になるため、腰を反りすぎない

ニーアップに慣れてきたら、立った姿勢で太ももを持ち上げる動作をすると効果的です。バランスを取るのに多くの筋群を使い、より筋トレ効果を実感できます。

ただし、立った姿勢でおこなう場合は、転倒しないように十分注意が必要です。

ニーアップは、少なくとも週に2回を目安に取り組みましょう。

足踏み運動:寝ながらの運動でぽっこりお腹の解消が期待できる

足踏み運動は、寝た姿勢で取り組める筋トレです。身体への負担が少なく、ながら動作で鍛えることができます。

足踏み運動の仕方は次のとおりです。

  1. あおむけに寝て両膝を立て、かかとを床につける
  2. おしりを浮かせて片足ずつ持ち上げ、足踏みのような動作をする
  3. 太ももを上げる動作をきついと感じるまでおこなう

足踏み運動では、次のポイントを意識すると良いでしょう。

  • 足を上げるときには腰を反らさない
  • おへそを見るようにして足踏み運動をおこなう

足踏み運動もニーアップ同様に、少なくとも週に2回を目安に取り組んでみてください。

さらに、足踏み運動よりも高い効果を得たい場合は、立てた両膝を浮かせて、自転車をこぐように両脚を大きく回す「空中自転車こぎ運動」がおすすめです。

腰が反ると筋トレの効果が薄れてしまうため、お腹に力を入れないように注意しましょう。

腸腰筋のストレッチ2選

腸腰筋の主なストレッチ方法は、次の2つです。

  • 太もも引き寄せストレッチ
  • フロントランジ

順番に確認していきましょう。

太もも引き寄せストレッチ:筋肉をほぐして腰痛の予防改善をはかる

太もも引き寄せストレッチは、寝た姿勢でおこなえるストレッチです。

腸腰筋をほぐすことで、腰痛の予防が期待できます。

太もも引き寄せストレッチのやり方は、次のとおりです。

  1. あおむけに寝て片膝を両手で抱える
  2. 深呼吸をしながら胸のほうへ抱えた膝を引きつける
  3. 約10秒間膝を引きつけた姿勢を維持する
  4. 繰り返し10回を1セットとしておこなう

1日2セットを目安にして、息を止めずにおこないましょう。
腰痛による痛みがある場合は無理をしないようにしてください。

フロントランジ:簡単な動作で転倒や怪我を予防する

フロントランジは、立った姿勢でおこなうストレッチです。

フロントランジでは、運動能力の向上が期待できます。

フロントランジのやり方は、次のとおりです。

  1. 腰に両手を当てて両足で立つ
  2. 片足をゆっくりと大きく前に踏み出す
  3. 太ももが水平になるまで深く腰を落とす
  4. 身体を起こして踏み出した足を元に戻す
  5. 繰り返し8~12回を1セットとしておこなう

フロントランジのポイントは、背筋を伸ばして胸を張りながら動作をすることです。

フロントランジに加えて、有酸素運動(ウォーキングやスイミングなど)や筋力トレーニング(スクワットやダンベルを用いた筋トレなど)を組み合わせると、ロコモティブシンドローム(※1)やフレイル(※2)の予防に効果があります。
1日1〜4セットを目安として1週間に2~3回を目安に取り組むと良いでしょう。

(※1)ロコモティブシンドローム:年を重ねることによって心身の機能が低下し、健康と要介護状態の中間に位置する状態。身体面、精神面、社会面の3つの側面が含まれる。

(※2)フレイル:フレイルの身体面の一部であり、加齢による筋力低下や関節・脊椎の病気などによって運動機能が衰え、寝たきりや要介護状態になるリスクが高まる状態を指す。

腸腰筋を鍛える習慣をはじめよう

腸腰筋を鍛えると、姿勢の改善や腰痛の予防をはじめ、要介護状態のリスク低下や腸内環境の改善による便秘の解消などの効果が期待できます。

腸腰筋の筋トレに取り組むことは、腸内環境の改善にも役立ち、さまざまな健康維持に貢献します。

なお、腸内環境の変化を把握するには、定期的なチェックも重要です。

ミルテルの「わたしの腸活サポートチェック」では、自身の腸内環境を詳しく知り、具体的な改善策を得られます。

いつまでも若々しくありたいと思っている方は、腸腰筋の筋トレと共にぜひ、試してみてください。

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