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便秘解消に効果的な食物繊維の取り入れ方とおすすめ食品

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腸活

便秘に悩む人は年々増加傾向にあり、現代社会において深刻な健康問題となっています。特に、デスクワークが中心の現代人にとって、便秘は避けて通れない課題となっているのが現状です。

その中でも、食物繊維の摂取不足は最も重要な要因の一つとして指摘されています。厚生労働省の調査によると、日本人の食物繊維摂取量は推奨量を大きく下回っており、特に若い世代での不足が顕著となっています。

本記事では、便秘解消の要となる食物繊維の効果的な摂取方法から、具体的なおすすめ食品まで、詳しく解説していきます。毎日の食事に取り入れやすい工夫と、確実な改善へのアプローチを見つけていきましょう。

監修者:高畑宗明の写真

監修者

腸活ドクター
高畑宗明

岡山大学大学院にて博士(農学)取得。腸内細菌や免疫、発酵食品を専門とし、研究者として世界20カ国以上を巡る。
前職では腸内環境を整えるプロバイオティクス/発酵サプリメントの研究開発に従事し、米国や欧州等で高い評価を受ける。
国内では前職でEC事業を経営するとともに、腸内細菌や乳酸菌に関する講演・食育セミナー、メディアへの寄稿など、腸と健康の啓蒙活動を行う。
著書
「腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない」 (講談社+α新書)
「腸で酵素をつくる習慣」(朝日新聞出版)
「わかりやすい食品機能学」(三共出版)
雑誌
クロワッサン、オレンジページ、ハルメクなど監修実績多数

腸活ドクター

監修者:高畑宗明の写真

監修者

高畑宗明

岡山大学大学院にて博士(農学)取得。腸内細菌や免疫、発酵食品を専門とし、研究者として世界20カ国以上を巡る。
前職では腸内環境を整えるプロバイオティクス/発酵サプリメントの研究開発に従事し、米国や欧州等で高い評価を受ける。
国内では前職でEC事業を経営するとともに、腸内細菌や乳酸菌に関する講演・食育セミナー、メディアへの寄稿など、腸と健康の啓蒙活動を行う。
著書
「腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない」 (講談社+α新書)
「腸で酵素をつくる習慣」(朝日新聞出版)
「わかりやすい食品機能学」(三共出版)
雑誌
クロワッサン、オレンジページ、ハルメクなど監修実績多数

便秘とは?その仕組みを知ろう

便秘は単なる症状ではなく、体からの重要なサインです。特に食物繊維不足による便秘は、現代人の食生活を反映した典型的な生活習慣病の一つといえます。

この状態を正しく理解し、適切な対策を講じることが、効果的な改善への第一歩となります。便秘の種類や原因を知ることで、より的確な食物繊維の摂取方法を選択することができます。

 

便秘の定義

医学的には、便の通過が困難な状態が継続する症状を便秘と定義しています。具体的には、排便回数の減少や、便の硬さ、排便時の困難さなどが判断基準となります。

特に食物繊維不足による便秘の場合、便が硬く、量も少なくなる傾向があります。これは、腸内での水分保持力が低下し、便の形成に必要な腸内フローラ細菌叢の働きが十分でないことが原因です。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれが便秘解消に重要な役割を果たしています。水溶性食物繊維は水分を保持し、便をやわらかくする効果があり、不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を促進する効果があります。

これらの食物繊維が不足すると、便の形成や排出に支障をきたし、結果として便秘症状が現れることになります。適切な食物繊維の摂取は、これらの問題を解決する重要な鍵となります。

 

便秘の種類

便秘は大きく分けて、一時的な便秘と慢性的な便秘の2種類に分類されます。一時的な便秘は、環境の変化やストレスなどが原因で起こる一過性の症状です。

慢性的な便秘は、3ヶ月以上症状が継続する状態を指し、より深刻な健康上の問題につながる可能性があります。特に食物繊維不足による慢性便秘は、腸内フローラの変化を引き起こし、様々な健康問題の原因となることがあります。

また、腹部膨満感や不快感を伴うことも多く、これらの症状は食生活の改善により、比較的早期に改善が期待できます。

慢性的な便秘が続くと、腸内環境の悪化や、それに伴う様々な健康問題を引き起こす可能性があります。特に、大腸がんのリスク増加や、痔核の発症など、深刻な合併症につながる可能性も指摘されています。

 

便秘の主な原因

便秘の原因は多岐にわたりますが、現代人に特に多いのが食物繊維不足による便秘です。詳しく紹介していきます。

 

食生活の影響

現代の食生活における最大の問題は、食事内容の質的な変化です。かつての日本の食生活は、玄米や雑穀、豆類、野菜、海藻類などを中心とした食物繊維が豊富な内容でしたが、近年の食の欧米化により、ハンバーガーやピザ、パスタなどの精製された小麦製品中心の食事が増加しています。

また、時間的な制約から、コンビニ弁当やインスタント食品、冷凍食品などの加工食品への依存度が高まっており、これらの食品は製造過程で食物繊維が失われていることが多くあります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、成人の食物繊維摂取目標量を1日あたり男性20g以上、女性18g以上としていますが、実際の平均摂取量はこれを大きく下回っています。

例えば、精製された白米は玄米と比較すると食物繊維が減少しており、同様に精製された小麦から作られる食パンも全粒粉パンと比べて食物繊維が大幅に少なくなっています。

特に若い世代では、この傾向が顕著です。朝食の欠食や外食への依存度の高さに加え、野菜の摂取量が不足しています。また、主食も精製度の高い穀物が中心となっており、例えば白米や食パン、うどんなどの精製された穀物製品を好む傾向があります。

さらに、手軽に食べられるスナック菓子やファストフードへの依存も、食物繊維不足に拍車をかけています。

また、食物繊維を含む食品を摂取しても、水分摂取が不足していると、十分な効果が得られないことも重要な問題です。食物繊維が十分な水分を得られないと、かえって便秘を悪化させる可能性があります。

高脂肪・高糖分の食事も便秘の原因となります。これらの食事は腸内フローラのバランスを崩し、有用菌(善玉菌)の減少と有害菌(悪玉菌)の増加を引き起こします。

脂肪の過剰摂取、特にファストフードやフライドポテト、揚げ物などに含まれる飽和脂肪酸の多い食事は、腸の運動を鈍らせる原因となります。これは脂肪の消化に時間がかかることで腸の通過時間が遅くなり、また腸壁への刺激が減少することで腸のぜん動運動が低下するためです。

また、清涼飲料水や菓子類などに含まれる糖分の過剰摂取は、腸内細菌叢の悪化を招きます。特に精製糖を多く含む加工食品の過剰摂取は、有用菌の減少と、有害菌の増加を引き起こす可能性があります。

これらの食品は食物繊維をほとんど含まないため、腸内環境の悪化を加速させる要因となります。

 

生活習慣の乱れ

運動不足は便秘の大きな原因の一つです。適度な運動は腸のぜん動運動を促進し、食物繊維の効果を高める働きがあります。

特にデスクワークが中心の現代人は、日中の運動量が極めて少なくなりがちです。長時間の座位姿勢は、腸の血行を悪くし、ぜん動運動を抑制する原因となります。

運動不足は、腸の筋力低下も引き起こします。腸の筋力が弱まると、食物繊維を含む食べ物が腸内をスムーズに移動できなくなり、便秘の原因となります。

睡眠不足も腸の働きに悪影響を与えます。質の良い睡眠は、腸内環境の維持に重要な役割を果たしています。

腸のぜん動運動は、特に夜間の睡眠中に副交感神経の働きによって活発になります。このメカニズムにより、私たちは通常朝に自然な排便感を感じることができます。

しかし、睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりすると、この自律神経のバランスが崩れ、朝の排便リズムが乱れやすくなるのです。また、深い睡眠が不足すると、腸管の修復や再生が十分に行われず、腸の健康維持が困難になります。

ストレスも便秘の重要な要因です。ストレスを感じると交感神経が優位になり、「戦うか逃げるか」という緊張状態が続きます。

この状態では腸のぜん動運動が抑制され、消化管の血流も低下するため、腸の動きが停滞してしまいます。

 

医学的要因

ホルモンバランスの乱れは、便秘の原因となることがあります。特に女性は月経周期内で女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が多い期間に、便秘になりやすい傾向があります。これは、プロゲステロンが腸の平滑筋を弛緩させ、ぜん動運動を抑制する作用があるためです。

また妊娠中も同様に、プロゲステロンが通常以上に多く分泌されるため、腸の運動が鈍くなりやすく、便秘が起こりやすい状態が続きます。

このような時期は、急激な食物繊維の摂取がかえって便秘を悪化させる可能性があります。そのため、食物繊維の摂取は以下のような点に注意が必要です。

  • りんごやバナナなど、水溶性食物繊維を中心に摂取する
  • 食物繊維の量は少量から始め、徐々に増やしていく
  • 十分な水分摂取を心がける(特に妊娠中は重要)

 

このように、ホルモンバランスの変化による便秘対策は、急激な食事改善を避け、体調に合わせて段階的に進めることが重要です。

更年期の女性も、ホルモンバランスの変化により便秘になりやすくなります。この時期は、食物繊維の摂取に加えて、適度な運動を心がけることが重要です。

薬の副作用として便秘が起こることもあります。特に、鎮痛剤や抗うつ薬、高血圧薬などは便秘を引き起こす可能性があります。

これらの薬を服用している場合は、医師と相談の上、食物繊維の摂取量を調整することが重要です。薬の種類によっては、食物繊維の吸収に影響を与える可能性もあるためです。

消化器系の疾患も便秘の原因となり得ます。過敏性腸症候群や腸閉塞などの疾患では、便秘が主要な症状として現れることがあります。

 

その他の要因

旅行や環境の変化は、一時的な便秘を引き起こす原因となります。慣れない環境でのトイレ使用や、生活リズムの変化が影響を与えます。

このような状況では、普段以上に意識的な食物繊維の摂取を心がける必要があります。また、水分摂取にも特に注意を払うことが重要です。

食事時間の変化や、普段と異なる食事内容も便秘の原因となります。特に海外旅行では、食物繊維の摂取量が大きく変化することがあります。

忙しさによる排便の遅れも深刻な問題です。トイレに行く時間を確保できないことで、自然な排便リズムが乱れてしまいます。

このような場合も、食物繊維を十分に含む食事を心がけ、可能な限り規則正しい生活リズムを維持することが重要です。

 

便秘を解消する方法

便秘の解消には、食物繊維を中心とした総合的なアプローチが必要です。ただし、急激な食事の変更は逆効果になる可能性があるため、徐々に改善していくことが重要です。

 

食生活の改善

食物繊維を十分に摂取することは、便秘改善の基本となります。ただし、いきなり多量の食物繊維を摂取すると、腹部膨満感や不快感を引き起こす可能性があります。

 

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、果物やこんにゃく、海藻類に多く含まれています。これらの食品は、便をやわらかくし、スムーズな排便を促進する効果があります。

リンゴなどの果物は、ペクチンという水溶性食物繊維を豊富に含んでいます。特にリンゴは朝食やおやつとして取り入れやすく、便秘改善に効果的です。

海藻類に含まれるアルギン酸は、優れた水分保持力を持つ水溶性食物繊維です。わかめやのり、もずくなどを積極的に取り入れることで、便秘改善が期待できます。

 

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、野菜や全粒穀物に多く含まれています。これらの食品は、腸のぜん動運動を促進し、便のかさを増やす効果があります。

緑黄色野菜は、不溶性食物繊維を豊富に含むだけでなく、ビタミンやミネラルも豊富です。特にほうれん草やブロッコリーは、便秘改善に効果的な食材です。

玄米や雑穀なども、不溶性食物繊維の優れた供給源です。白米から玄米に切り替えるだけでも、食物繊維の摂取量を大きく増やすことができます。

豆類は、水溶性と不溶性の両方の食物繊維を含む優れた食材です。特に大豆製品は、食物繊維に加えて良質なタンパク質も摂取できます。

 

プロバイオティクス

プロバイオティクスの導入も効果的です。ヨーグルトや発酵食品・サプリメントを積極的に摂取することで、腸内環境の改善が期待できます。

乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌は、食物繊維を効率的に発酵し、短鎖脂肪酸を産生します。これらの物質は、腸の健康維持に重要な役割を果たします。

関連記事:乳酸菌サプリメントで腸活!はたらき・選び方・飲み方で健康と美肌を手に入れよう – ミルテル

 

バランスの良い食生活

一日三食をバランスよく摂取することも大切です。特に朝食は、腸の働きを活発にする重要な役割を果たします。

朝食時には、シリアルやオートミールなど、食物繊維が豊富な食品を取り入れることをお勧めします。これらの食品は、手軽に食物繊維を摂取できる優れた選択肢です。

また、食事の際の水分摂取も重要です。食物繊維が効果を発揮するためには、十分な水分が必要となります。

一日に必要な水分量は体重や活動量によって異なりますが、一般的に1.2リットルの水分摂取が推奨されています。特に食物繊維を多く摂取する場合は、それに応じて水分摂取量を増やすことが重要です。

 

適度な運動と食物繊維の関係

運動は食物繊維の効果を高める重要な要素です。適度な運動は腸のぜん動運動を促進し、食物繊維が腸内をスムーズに移動するのを助けます。

特に有酸素運動は、腸の血流を改善し、食物繊維の発酵を促進する効果があります。ウォーキングやジョギング、水泳などの運動を、毎日30分程度行うことをお勧めします。

腹筋運動やストレッチも効果的です。これらの運動は、腸の周辺筋肉を刺激し、食物繊維を含む便のスムーズな移動を助けます。

ヨガも便秘改善に効果的な運動の一つです。特に腸の動きを促進するポーズは、食物繊維の効果を高める働きがあります。

関連記事:腸に良い運動が便秘解消のカギ!手軽にできるエクササイズを紹介

 

ストレス管理の重要性

ストレスは腸の働きを妨げ、食物繊維の効果を減弱させる可能性があります。適切なストレス管理は、便秘改善の重要な要素です。

リラクゼーション技術を身につけることで、自律神経のバランスを整え、腸の正常な働きを促進することができます。深呼吸やメディテーション(瞑想)などの実践をお勧めします。

十分な睡眠も重要です。質の良い睡眠は、腸内環境の維持と食物繊維の効果的な働きに不可欠です。

 

医療的アプローチ

食物繊維の摂取だけでは改善が見られない場合、医療的なアプローチが必要となることがあります。特に慢性的な便秘の場合は、専門医への相談をお勧めします。

便秘薬の使用は、症状が深刻な場合の選択肢の一つです。ただし、長期的な使用は避け、医師の指導のもとで適切に使用することが重要です。

医師による診断と治療は、便秘の根本的な原因を特定し、適切な治療法を見つけるために重要です。特に、食物繊維の摂取方法や量について、専門的なアドバイスを得ることができます。

 

まとめ:効果的な食物繊維の活用法

便秘解消には、適切な食物繊維の摂取が鍵となります。ただし、急激な摂取量の増加は逆効果となる可能性があるため、徐々に量を増やしていくことが重要です。

効果的な改善のためには、まず自身の腸内環境の状態を正確に把握することが大切です。専門家は、腸内細菌のチェックを半年に1回程度行うことをお勧めしています。

わたしの腸活サポートチェック」では、あなたの腸内環境を科学的に分析していますので、ぜひ便秘改善にお役立てください。

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