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オリゴ糖は体に良い?効果効能・デメリット・活用法まで解説

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腸活

健康的になりたい人、身体の中から美しくなりたい人には、オリゴ糖がおすすめです。

本記事では、オリゴ糖の効果やデメリット、使い方まで紹介します。

監修者:高畑宗明の写真

監修者

腸活ドクター
高畑宗明

岡山大学大学院にて博士(農学)取得。腸内細菌や免疫、発酵食品を専門とし、研究者として世界20カ国以上を巡る。
前職では腸内環境を整えるプロバイオティクス/発酵サプリメントの研究開発に従事し、米国や欧州等で高い評価を受ける。
国内では前職でEC事業を経営するとともに、腸内細菌や乳酸菌に関する講演・食育セミナー、メディアへの寄稿など、腸と健康の啓蒙活動を行う。
著書
「腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない」 (講談社+α新書)
「腸で酵素をつくる習慣」(朝日新聞出版)
「わかりやすい食品機能学」(三共出版)
雑誌
クロワッサン、オレンジページ、ハルメクなど監修実績多数

腸活ドクター

監修者:高畑宗明の写真

監修者

高畑宗明

岡山大学大学院にて博士(農学)取得。腸内細菌や免疫、発酵食品を専門とし、研究者として世界20カ国以上を巡る。
前職では腸内環境を整えるプロバイオティクス/発酵サプリメントの研究開発に従事し、米国や欧州等で高い評価を受ける。
国内では前職でEC事業を経営するとともに、腸内細菌や乳酸菌に関する講演・食育セミナー、メディアへの寄稿など、腸と健康の啓蒙活動を行う。
著書
「腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない」 (講談社+α新書)
「腸で酵素をつくる習慣」(朝日新聞出版)
「わかりやすい食品機能学」(三共出版)
雑誌
クロワッサン、オレンジページ、ハルメクなど監修実績多数

オリゴ糖とは健康的な甘味料

オリゴ糖は、3~10個の単糖(最も小さい単位の糖類)で構成されている糖質を指します。

腸活効果やダイエットなどのさまざまな効果があるオリゴ糖は「トクホ(特定保健用食品)」として販売されている商品もあります。

カロリーが低く消化吸収されづらい

オリゴ糖は甘味料の中でもカロリーが低く、消化されにくいです。

砂糖では1gあたり約4kcalですが、オリゴ糖では半分の約2kcalです。

オリゴ糖は、体内の消化酵素で分解されにくい性質があります。これは、人間の体内にはオリゴ糖を分解する消化酵素が存在しないためです。

オリゴ糖は栄養吸収が行われる小腸を通過し、大腸まで届きます。

糖質として体内に吸収されずエネルギーに変換されにくいため、ダイエット中の味方と言えるでしょう。

オリゴ糖は種類によって特徴が異なる

オリゴ糖はブドウ糖や果糖などの単糖から構成されており、現在確認されている分だけでも1,000種類以上の数があります。

主なオリゴ糖の種類と特徴、多く含まれる食品は次のとおりです。

オリゴ糖の種類

主なな特徴

多く含まれる食品

フラクトオリゴ糖

腸内環境を整える

タマネギ、バナナ、アスパラガスなど

ガラクトオリゴ糖

むし歯になりにくい

母乳、牛乳など

大豆オリゴ糖

腸内環境を整える

大豆、きなこ、豆乳など

ラクチュロース

ミネラルの吸収を助ける

母乳、牛乳など

キシロオリゴ糖

腸内環境を整える

タケノコ、トウモロコシなど

ちなみに、市販されているオリゴ糖食品には、1種類だけ含まれているものと、複数の種類を組み合わせたものがあります。

オリゴ糖のメリットは?期待できる効果・効能を解説

オリゴ糖の摂取で得られるメリットはおもに次の3つです。

  • 腸内環境改善で便秘解消や美肌効果
  • 砂糖に比べむし歯になりにくい
  • 血糖値の上昇を抑え太りにくい

それぞれ確認していきましょう。

腸内環境改善で便秘解消や美肌効果

オリゴ糖は、腸内環境を整える作用があります。

オリゴ糖は体内消化酵素がなく消化されにくいため、腸内まで届きビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌(善玉菌)の餌になります。

有用菌はオリゴ糖によって増え、結果として腸内環境の改善や美肌・アンチエイジング効果をもたらします。

具体的に次のような効果が期待できると言われています。

  • お腹の張りの改善、ぜん動運動の活発化による便秘の解消
  • 抗酸化作用による美肌の維持、肌荒れ予防
  • 腸のバリア機能向上によるアンチエイジング効果

関連記事:有用菌(善玉菌)とは? 種類やはたらきから増やし方まで詳しく知ろう

砂糖に比べむし歯になりにくい

オリゴ糖は砂糖に似ていますが、むし歯になりにくい特徴があります。

砂糖がむし歯の原因となる理由は、むし歯の原因菌により放出される酵素が砂糖によって粘着物質を作るためです。

歯垢(しこう)として歯の表面に付着した粘着物質は、酵素の作用で歯のエナメル質を溶かし、むし歯を引き起こします。

一方、オリゴ糖はむし歯の原因菌が粘着物質を作りにくい性質を持っています。

歯垢の形成、エナメル質を溶かす物質の生成を抑え、虫歯のリスク軽減が期待できます。

オリゴ糖は砂糖に比べ、歯に優しい甘味料と言えるでしょう。

血糖値の上昇を抑え太りにくい

オリゴ糖は、太りにくい甘味料であると言われています。

糖質を摂取すると血糖値の上昇を抑えるためにインスリンが作用します。インスリンは、脂肪細胞に糖質を蓄積させ肥満をきたす原因となります。

ショ糖(砂糖の主成分)では摂取30分後に明らかな血糖値やインスリンの血中濃度の上昇が見られましたが、オリゴ糖ではともに値の上昇がなかったという報告があります。

またGI(Glycemic Index)値という食後の血中の血糖値濃度をはかる指標は、オリゴ糖ではほぼ0~30程度と非常に低いです。

一般的に低GI食品と呼ばれるGI値が55以下の食品は、血糖値の急激な変化を抑える効果があり、血糖値の安定的なコントロールに寄与します。

これにより、インスリン分泌の負担が軽減され、長期的な血糖管理を助けることで糖尿病のリスクを抑える可能性があります。

オリゴ糖は血糖値のコントロールに役立つ、ダイエット向きの甘味料です。

オリゴ糖のデメリット|摂取するときの注意点も紹介

オリゴ糖は健康にさまざまな恩恵をもたらしますが、摂取の方法を誤ると次のようなデメリットをきたす可能性があります。

  • ダイエット効果が得られない
  • 体調不良の原因となる

オリゴ糖の効果を最大限に活かすために、確認してみてください。

摂取し過ぎてカロリー過多になってしまう

オリゴ糖は砂糖に比べて、カロリーが半分であるためダイエット効果が期待できます。

しかし、砂糖よりも甘さが控えめで、甘さが砂糖の20~50%程度しかありません。

オリゴ糖の甘さに慣れていない、物足りなさを感じている場合は、大量にオリゴ糖を使用してしまう可能性があります。

砂糖を使用時より、カロリー過多になってしまわないよう注意が必要です。

お腹が張る・下痢を引き起こす危険性

オリゴ糖を急激に摂取し過ぎると、お腹の張りや下痢の原因となる危険性があります。

一度に摂取する上限目安は、体重1kgあたり成人男性で0.3g、成人女性で0.4gと報告されています。

例えば、50kgの男性であれば15g、女性では20gが上限です。

オリゴ糖を摂取する際は、次のような方法で摂取しましょう。

  • 一回の摂取量を数回に分ける
  • 身体が慣れるまでは、数日かけて摂取量を増やす

またオリゴ糖を大量に摂取しても、病気の完治や健康の増進につながることはありません。

一度に大量に摂取するのではなく、適切な量を継続して日々の食生活に取り入れることが重要です。

オリゴ糖を多く含む食品や効果的に使う方法は?

オリゴ糖はさまざまな食品に含まれています。効率的に摂取するには、オリゴ糖が多く含まれている食品を選ぶことが重要です。

また市販されているオリゴ糖の成分を抽出した特定保健用食品は、自炊の習慣がない人や忙しい人でも簡単に摂取できるメリットがあります。

オリゴ糖が多く含まれる食品一覧

オリゴ糖は次に示す食品に多く含まれています。

食品

100g中のオリゴ糖の含有量(目安量)

ゴボウ

3.6g(約⅔本)

ハチミツ

0.75g(約大さじ5杯)

にんにく

0.6g(約10~13個)

バナナ

0.3g(約1本分)

タマネギ

0.23g(約½個)

表の食品以外に、トウモロコシや本みりんもオリゴ糖を多く含む食材であることがわかっています。

そのままでも料理にも手軽に活用できる

オリゴ糖は長時間の加熱で成分が分解される可能性がありますが、多少の加熱であれば成分や味が損なわれにくいと言われています。

オリゴ糖は、コーヒーや紅茶などの飲み物や、ヨーグルトやフルーツなどのデザートのように砂糖の代わりにかけたり入れたりするだけで摂取できます。

自炊をしないという方でも取り入れやすいでしょう。

オリゴ糖はどれがいい?価格やハチミツとの違いも比較

オリゴ糖は種類によって期待できる効果もさまざまです。

ここでは、価格面や種類などのオリゴ糖の選び方を紹介します。

甘味料として用途が重なっているハチミツとの違いについても解説します。

用途・甘さ・含有率を総合判断して決める

オリゴ糖は種類によって特徴が大きく異なります。

商品を選ぶ際は、目的や味の好み、オリゴ糖の含有率を考慮して次のように決めるとよいでしょう。

  • 甘味の強いものを選びたい人は「乳菓オリゴ糖(ラクトスクロース)」
  • 甘さ控えめを選びたい人は「フラクトオリゴ糖」
  • 料理に合わせたい人は「キシロオリゴ糖」

料理にオリゴ糖を加えたい場合は、熱や酸(食酢など)で分解されにくいキシロオリゴ糖がおすすめです。

またオリゴ糖の含有率の高い粉末タイプは、料理に入れる量を抑えられるため味の微調整も可能です。

粉末タイプのオリゴ糖には個包装の商品もあり、計量の手間がかからない点もメリットと言えるでしょう。

ただしシロップタイプと比べて粉末タイプは溶けにくい特徴があります。

使う用途や好みに応じて検討してみてください。

安いオリゴ糖と高いオリゴ糖の違いは原材料や製造方法

オリゴ糖の値段は、抽出・精製の仕方や含まれている成分の違いによって左右されます。

通常、安い商品は含まれているオリゴ糖の種類が少なく、イソマルトオリゴ糖のような価格の安いオリゴ糖や砂糖、水分が含まれている場合もあります。

高価な商品には、さまざまな種類のオリゴ糖が含まれているものが多く、原料も高級である場合が多いです。

複数のオリゴ糖が含まれていると相乗効果が期待できるという理論はありますが、安価なオリゴ糖の効果が低いというわけではありません。

はじめての場合は、手に取りやすい値段の商品を選び、より効果を実感したい場合は高価なオリゴ糖を試してみても良いかもしれません。

また、値段だけではなく甘さや含有率なども考慮して商品を選択してみてください。

ハチミツとの違いは血糖値の上昇や栄養価

ハチミツとオリゴ糖は使うシーンが重なるため、どちらを選択したほうがよいか迷う人もいるでしょう。

2つの違いは次の表のとおりです。

ハチミツ

オリゴ糖

カロリー

GI値※

期待できる効果

・エネルギー補給

・抗炎症作用

・整腸作用

・血糖値の上昇抑制

安全性

1歳未満の乳幼児は摂取できない(ボツリヌス菌のリスク)

大量摂取は下痢や腹痛の原因

※GI値は、食品が食後の血糖値をどれだけ上昇させるかを示す指標

ハチミツはエネルギー補給や抗炎症作用に優れ、スポーツや喉のケアに適しています。しかし、GI値が高く血糖値が気になる方は注意が必要です。

また、1歳未満の乳幼児にはボツリヌス菌感染リスクがあるため摂取は避けましょう。

ハチミツとオリゴ糖で得られる効果は異なるため、使い分けるとよいでしょう。

オリゴ糖を取り入れた腸活をはじめよう

食事に使用している砂糖をオリゴ糖に変えると、腸内環境の改善やむし歯、肥満リスクの低下が期待できます。

さらに腸内環境を整えることは、健康や美容にも良い影響を与えるとされています。

腸活を効果的に進めるには、自分の腸内環境を知ることも大切です。

ミルテルの「わたしの腸活サポートチェック」では、採取した便を送るだけで100種類程度の菌を検出し、現在の腸内環境を分析します。

詳細なデータが得られるので、食生活や生活習慣を見直すヒントが得られます。

身体の中からキレイになりたいと考えている方は、是非この機会に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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